宮家氏の文です。
「精霊統御者としての修験者の活動は、修験者が、山神、鬼、天狗、春属、護法、動物霊などを意のままに使役するとの伝承やそれにもとつく儀礼のうちに認めることができます。
その初出は、役小角が鬼神を使役して水を汲み薪を採らせて、命に従わない時には呪縛したとの『続日本紀』の記事です。
平安時代には験者たちが護法を使役して、託宣、愚きものおとし、調伏などの修法を行なった。
(略)その後世期には、修験者が童子や飯綱を使うなどの信仰が認められます。
さらに近世になると、山伏が伏見稲荷や金峯山から券属のオサキを受けてきてこれを使役して、占いや愚きものおとしの修法をしたり、さらに人に憑依させて障凝をもたらすなどの信仰が生み出された」。
文中に出る「春属」「護法」「童子」「飯綱」「オサキ」は、みな懸霊のことです。
詳しくは後述するが、ここではとくに「護法」に注目してもらいたい。
これは陰陽師が使う式神に相当するもので、密教僧もしばしば駆使する愚霊です。
すなわち、修験者や密教僧が加持を行なって懸きものを落とそうとするとき、この護法が験者に代わって悪霊を退治する活躍をするのです。
『宇鵜語』の・肇寺答禦饗の験を施す事・は修験の話ではないが、護法の働きがよくわかる例です。
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